映画・テレビ

2007/10/14

墨攻

『墨攻』

中国古代、(春秋)戦国時代。
韓魏趙斉燕楚秦の七つの大国が群雄割拠していた時代です。
一方、この時代は諸子百家の時代でもあります。
戦乱の時代、さまざまな思想家があらわれて国と国の交渉を受け持ったり、参謀・大臣となって国を支える人々が能力を発揮したわけです。

秦の始皇帝によって中国が統一される前。
趙の将軍が、燕へ侵攻する際に国境の城、梁城を落とそうとしていた。
その梁城を救うために、依頼を受けて墨家から一人の男がやってきた。
名は革離。梁城をこの男が救えるのか?

という物語ですが。。。

まずは映画(DVD)。

墨家の革離:アンディ・ラウ
趙の将軍、巷淹中:アン・ソンギ
アンディ・ラウもなかなかしぶいおじさんになってきました。若い頃の『神鳥伝説』を見たのが最初だったせいか、“みょーなにいちゃん”のイメージがありましたが、この映画ではなかなか格好良く見えます。

しかし、やっぱり燻し銀のよさがにじみ出るのが、アン・ソンギですね。

「人が人を殺す異常さ」をとても悩み深く表現していた映画です。

しかし。
昔、読んだ原作と話が違います。革離はむっさいおじさんだったはずだし、恋に悩むなどありえなかったはず。こちらの酒見賢一氏の原作を読んでいると違和感があります。

作品としては、原作の方が淡々とした描写で考えさせられる作品でした。
ただし、「戦争反対」を強く出すなら映画の方でしょう。

この映画は酒見氏の作品を漫画化したものを原作としている作品だったのですね。
ずいぶん、違ったものです。
漫画の方は読んでいませんが、原作と比べてボリュームも増えて、描き方も濃いものになっているようです。
絵がすごいようですねえ。

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2007/07/21

マリー・アントワネット

DVDで『マリー・アントワネット』を見ました。

アカデミー賞《衣装デザイン賞》受賞!作品ということで、見たかったのですが、確かに豪華な衣装でした。
いえ、豪華というだけではなく、凝ったといったほうがよいでしょう。

14歳で結婚、18歳で即位、豪華なヴェルサイユに暮らす孤独な王妃の物語

原作のアントニア・フレイザーの『マリー・アントワネット』も読んでいましたが、なかなか新鮮な驚きを味わうことができる映画です。

音楽が強調するのは、満たされない気持ちでいっぱいのセレブの女の子~というマリー・アントワネットです。
さすがに途中でうんざりしそうになります。
というのも、マリー・アントワネットのうんざりした様子が、いやというほど伝わってくるからです。

ヴェルサイユの宮廷における王族の生活は生活全てが見せ物です。そのばからしさにうんざり。

結婚してみても、夫であるルイ・オーギュストとはなかなか仲良くなれず。
世継ぎの王子を生まないとフランス-オーストリアの同盟も成立とはいえない!
母親を始めとする周囲からは早く結婚の完成を!というプレッシャー。
(実際、結婚生活が成就されていないという理由による離婚もあるのがヨーロッパの宮廷ですから)

いやあ、長いのですよ、この満たされない時間が。

挙げ句の果てに馬鹿騒ぎの毎日。
その姿は、従来さんざん描かれてきたアメリカの10代(思春期)の女の子の馬鹿騒ぎものにも似ています。

キャンディとケーキのめくるめく世界

ここに思いっきり力を入れていますね。

そのため、マリー・アントワネットの後半生(パリへ移送された後)は描かれていません。
あくまで、「ヴェルサイユへいらっしゃい」なのです。

あまりにもアホばかりの登場人物たちはともかく、この映像の美しさと、ポップ・ミュージックの組み合わせの絶妙さは一見に値するように思いました。

ただし、まじめな歴史観をお持ちの方にはお薦めできないかもしれませんが。

やはり、マリー・アントワネットはみなに愛される人物なのでしょう。
子どものころ夢中で読んだ『ベルサイユのばら(5冊セット)』の巻末には参考文献一覧がありました。
そこで、いろいろ読みました。

おすすめは、これ。シュテファン・ツヴァイクの『マリー・アントワネット』です。

ここから高校時代にはまったのが『ジョセフ・フーシェ』です。
歴史上で無名ではないけれど大物ではない人物の評伝!フーシェを描くことによって、革命時代からナポレオン時代の様子がよーくわかります。
(私の研究が無名な人物にはまっていくのはこのころの影響か?今、気づきました。。。)
ツヴァイクはまた今度と言うことで。

マリーに戻ってみますと、こちらも有名でしょうか。

「マリー・アントワネット」だけでこれだけの本が見つかります。

ヴェルサイユ展は先年終わってしまいましたが、今度は本と映画で楽しむのもよいのではないでしょうか。


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2007/07/09

最近の驚き

先日、授業で天皇の即位の話をしていたときに、受講生の学生さんたちが平成生まれであることに少なからず愕然。冷静に考えれば、平成19年なのですからあたりまえ。。。ああ、昭和は遠くなりにけりと、思いました。

そこで、ソクーロフ監督による昭和天皇を描いた映画太陽を見てみました。
イッセー尾形の動きを見ていて、そうそう、昭和天皇ってこんな動きかたしていらっしゃったなあ(いえ、テレビでみていただけですけれど)と、思うにつれて、本当に昭和が遠くなったと感じる、昭和生まれの私でした。

そして、もう一つの驚き。
30代の男の子(子っていう年でもないか)と話をしていて、「洗濯を自分でしたことがない。自宅の男性ならみんなそうだよ」という発言を聞いたとき。嘘お。これからリサーチしてみたいと思います。
洗濯機に洗濯物を入れて、干すだけでしょう?乾燥機でもいいですが、私は日に当てたいですね。
Yさん。君のことですよ。

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2007/06/22

ヴェニスの商人

THE MERCHANT OF VENICE
Willam Shakespeareの『ヴェニスの商人』を観ました。Venice

このカバーでもわかるとおり、シャイロックの存在が大きいのですよ!
アル・パチーノですもの。ヨーロッパにおけるユダヤ人迫害の様子がじっくりと描かれているだけに、シャイロックが気の毒に見えてきます。

しかし、不思議なのはジェレミー・アイアンズの演ずるアントーニオです。老けすぎていませんか?貴族的な風貌が似合うとしても、おまぬけ・小心のアントーニオには合わないような?ところが、見ているうちにしっくりしてくるから不思議です。マイケル・ラザフォード監督にかかると、シェークスピアの喜劇が人間の愚かさを如実に描き出す歴史ドラマとしての迫力が強調されます。

また、ドラマの舞台になるヴェネツィアが絵になります。ゴンドラで移動する人々を見るだけでヴェネツィアの雰囲気がしっかり味わえます。

確か、塩野七生氏が書いていたかと思いますが、全財産を船に乗せるような商売をするとは…、ヴェネツィア商人にあるまじき失敗といえるでしょう。やっぱり、アントーニオってお間抜けな上に商売が心配で憂鬱になっているあたり、小心者といえるでしょう。そして、親友に借金をさせてそのお金でお金持ちの女性ポーシャに求婚に行くバッサーニオ。。。とんでもない人々です。
そして、女性たちのかけひきも秀逸です。ポーシャ抜きではアントーニオは助からなかったというのに、男たちはぜんぜんわかっていなかった。最後にアントーニオはポーシャに嫉妬していたようなそぶりも。親友をとられたような気持ちになって(三角関係?!)。
もう一度原作を読みたくなりました。
沙翁はヴェネツィア商人をわかっていなかった、ということなのか?しかしながら『オテロ(オセロ)』でも黒人の軍人を登場させたり、ヴェネツィアという舞台設定はイギリス人にとってそんなに魅力的だったのでしょうか?

アル・パチーノはやはりいいですねえ。

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2007/05/12

デュエリスト

TUTAYAの半額クーポンが始まったので、DVDを借りてみました。
いまごろ、、、ですが、イ・ミョンセ監督、カン・ドンウォン、ハ・ジウォン主演の韓国映画『デュエリスト DUELIST』です。2005年公開でした。

朝鮮王朝時代の刺客と女刑事の恋の物語です。
原作はNHKでも放送していた『茶母』。時代考証よりも映像美に力をいれたというだけあって、美しい絵でした。
主人公2人もきれいでしたが、おじさんたちが味のある演技者たちでした。
女刑事ナムスンの上司のアンさん。どこかで見たことがあると思ったら『MUSA 武士』に出ていたアン・ソンギでした。ナムスンを心配しつつ、しなやかに生きる、ひょうひょうとしているけれど実は強いおじさん。
韓国を代表する有名な俳優……なるほど。

ただ、一つ、気になる点が。
日本から届いたいわくつき(室町時代の作で、持ち主はみな破滅している)の刀が、刺客の育ての親に贈られるのですが、その刀(どう見ても日本の刀の作りじゃない)に「夏草や兵どもが夢の跡」という銘があるらしい。。。
芭蕉ですか。このアイディアはどこから?原作にあるのでしょうか?
韓国に於ける、芭蕉の句のイメージって・・・。なかなか興味深い作品です。


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2006/04/20

ナルニア国物語

遅ればせながら『ナルニア国物語―第1章ライオンと魔女』みてまいりました。

最近の映画はエンディングロールが始まっても席をたってはいけませんね~。

実は、原作を読んでいなかったのですがなかなか楽しく見ることができました。
『ロード・オブ・ザ・リング』とくらべると、ディズニーらしい児童文学ファンタジーというところですが、映像がきれいなのでよしとしましょう。あと、それぞれの登場人物(特撮を含め)の演技力が◎。
ライオンのアスラン、特撮とわかっていても、映像処理のたまものとわかっていても、見事でした。
一番アスランがよかった~と、いうとまずいかな?

また、雪景色は圧巻でした。本当に寒そう。氷の城も本当に絵の通り。「白い魔女」はやはり迫力があって素敵でした。

ファンタジー特有の世界の原型というか要素が見事にはまった作品です。予言、王、魔女、剣、動物。後にゲームで展開するファンタジーの基本がすべてつまっているのがこの物語です。

唯一、意外なのがこの段階では宗教的人物が登場しないことでしょうか。賢者はここでは登場しません。王であるアスランや、子供たちにアイテムを渡す○○○がそれに相当するかな。

ただ、思ったよりも音楽は趣味じゃなかった…。これだけは意外です。わりと最近の映画音楽はいいものが多い中、微妙な音楽でした。やっぱり、家族で明るく観る映画という選曲でしょうか?

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2006/04/18

テレビ番組で定家の断簡

テレビ東京の番組、「開運!なんでも鑑定団」定家の断簡が出るというので、見てみました。

モノは明月記の断簡。断簡とは、長い巻子本などを手ごろな長さに切ってしまったもの。茶道の流行にともなって、多くが掛け軸に作られます。また、手鑑(コレクション帖のようなもの)に作ってしまうこともあります。

今回の品も、掛け軸でした。知人から200万で買ってほしいと言われたところなんとか180万円に値切って購入したそう。さて、真贋はいかに?お値段はいくら?結果を言うとネタバレというところなので結果はこちらをどうぞ。「開運!なんでも鑑定団」のHPで値段を出しています。鑑定人は増田孝氏。

 なかなかおもしろかったです。
 正直なところ、この番組は下品です。
 イギリスのテレビ番組でも鑑定人が地方の教会のようなところで、骨董品の鑑定をするという番組がありますが、あちらでは値段よりもモノの鑑定(どういうものなのか)と手入れの方法などを説明する方が主体です。骨董―アンティークっていいなあと思われるものなのです。
 知人が、「鑑定って結局、その家が破産したりして道具を売り払わなければならないときにしてもらうんだから、家の恥だよ!」と怒っていたことがあります。当時、貧乏だった人の言葉だけに妙な説得力がありました。
 とはいえ、庶民からすると島田紳介の話術に笑わされてしまうのですが。やはり、日本の庶民には金額は大事、かなー。 

 というところでしたが、定家の『明月記』、先月もシンポジウムが行われ、『明月記研究』という研究誌もあります。先年、五島美術館で展覧会が行われました。つい最近のような気がしていましたが、2004年10月23日~11月28日のことでした。『京都冷泉家「国宝 明月記」』展です。

 そういう状況で、「明月記」の断簡が登場。これで、また研究が進むならこの番組もありがたいことです。ただ、あんまり高い値段をつけられると、図書館などで購入するのがむずかしくなるのではないかと心配してしまいます。こういう資料はできるだけ公的なところできちんと保管していただきたいものです。
 そうなれば、庶民の私たちでも見られますし。テレビ番組でも、今日はいいもの見ました。

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2006/03/26

美の巨人たち 長谷川潔

 テレビ東京で土曜の夜に放送している「美の巨人たち」で2006年3月25日夜、長谷川潔が特集されました。
 タイトルは「パリに死す!長谷川潔 奇跡の銅版画」。一枚の絵として紹介されたのは「時/静物画

 繊細な、ほんとうに繊細な線で表現するマニエール・ノワールの技法を丁寧に紹介してくれました。
 ビロードの肌。黒は黒でも7種類の黒があるとは、驚きです。そして、版画家と刷師の互いの技術があって美しい版画がすりだされる。―それだけに、刷師がいなければ成立しない技術。これはたいへんです。
 番組の中でハイビジョンで放送しているけれども、この細かな質感がわかるだろうかという言葉が出てきました。それほど繊細な美しさです。

横浜美術館の学芸員の猿渡さんが途中、解説していましたが―横浜美術館の展覧会、明日で終了です。

 スタンプラリーのスタンプは長谷川潔の銅版画をもとにしたデザインでした。このスタンプ(ゴム印)を売り出す案もあったそうですが、あまりに繊細な線なのできれいに押すのがむずかしいためあきらめたそうです。

番組の取材風景の写真もすてきです。→こちらです。

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2005/09/22

真珠の耳飾りの少女

今ごろになって……ですが、ようやく観ることができました。『真珠の耳飾の少女』。ずーっと気になっていたのです。正直なところ、フェルメールの絵の中でこの『青いターバンの少女(真珠の耳飾の少女)』はあまり趣味ではなかったのです。ちょっと口が開いていて、「え?」と何かに答えるかのように、びっくりしたかのように振り返る少女。無垢というか、ちょっとぼんやりしていた?そんな少女の一瞬のすきを描いた?と見えていたのですが。が、この映画を観てがぜん興味がわきました。この映画の主人公グリートは芯の強い、感性豊かな女性です。dresden1
なんといっても、その映像の美しいこと!まさに「絵になる」情景です。そういえば、19日で終わってしまったドレスデン国立美術館展には『窓辺で手紙を読む若い女』が出ていましたが、この世界を映像で見ることができるとは驚きです。以前、TBしてくださったTak氏のサイト BLUE HEAVEN はフェルメールに関してとても詳しいのでおすすめです。それにしても、絵画と映画、その間には密接な関係と明確な差異があります(矛盾した表現ですが)。この映画『真珠の耳飾の少女』は絵画の世界を見事に映像化し、映画としても十分に楽しめるものでした。

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2005/09/16

絵巻「山中常盤」と歌舞伎

5月に岩波ホールで『山中常盤』を見ました。
絵巻を映画で見る、おもしろい映画でした。

ひさしぶりに、『絵巻「山中常盤」を映画でみませんか』をのぞいてみると、今、東中野で上映中とのことではありませんか!

それも13代目片岡仁左衛門(1994年没)の記録映画『歌舞伎役者 片岡仁左衛門』など、歌舞伎関連の映画も上映とのこと。9月10日~10月14日までポレポレ東中野にて。

9月24日~9月30日は特別プログラムも上映。

今度は、歌舞伎。これは、一日行っただけじゃ見きれないでしょうね。

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