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夏の夜はまだよひながら 伝伏見天皇

  月のおもしろかりける夜、あかつきがたによめる ふかやぶ

夏の夜はまだよひながら明けぬるを雲のいづこに月やどるらむ

『古今集』巻3(166) 夏歌 (百人一首36)

月がきれいであった夜の暁に詠んだ歌 清原深養父

夏の夜は(短くて)まだ宵だと思ううちに、(もう)明けてしまったのだが、雲のどこに(先ほどまでの月は)宿っているのだろうか。

Dsc05205

数年前に東京国立博物館で見た伝伏見天皇(1265~1317)筆「歌集切」です。

表装の青色が夏の夜の暁方のようにも感じられます。

Dsc05205-a雲紙の藍色も夜の雲を思わせます。

こちらは「夏の夜はまだよひながらあけにけり 雲のいづくに月やどるらむ」と、

「あけにけり(もうすっかり夜が明けてしまった)」としています。

Photo_20200805193801 

8月5日の月の出は19:59、月の入りは5:58。

    日の出は4:52、日の入りは18:41。

この写真は、8月4日0:17の写真で、月と木星(うっすら土星)を撮ったものですが、書を眺めつつ夏の短い夜を楽しむのもまた一興といったところでしょう。

番町皿屋敷のように1枚、2枚と採点し続けて、ふと空を見ると満月が空に見える今日この頃です。

 

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