夏と秋と行かふ空の通い路は 明日は立秋
『古今集』巻第3 夏歌(168)
みな月のつごもりの日(ひ)よめる
夏と秋と行かふそらのかよひぢはかたへすずしき風やふくらん
東京国立博物館蔵 『古今和歌集』(附 永正十六年牡丹花肖柏筆伝授1通/文亀三年牡丹花肖柏筆覚書1通/寛文四年烏丸資慶筆上包紙1枚)
室町時代、永正16年(1519)の伝授書などとともに伝わる『古今和歌集』から夏の部の終わりです。
先日の166「夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを雲のいづこに月やどるらん」
そして、167「塵をだにすゑじとぞ思ふ咲きしより妹とわが寝るとこ夏の花」
に続く部分です。
翻字(濁点を加えました)は
「 月のおもしろかりける夜あか月がたによめる ふかやぶ
夏の夜はまだよゐながらあけぬるを雲のいづこに月やどるらん
となりよりとこなつの花をこひにをこせたりけれ
ばおしみてこのうたをよみてつかはしける みつね
ちりをだにすへじとぞ思さきしよりいもとわがぬるとこ夏の花
みな月のつごもりの日よめる
夏と秋と行かふそらのかよひぢはかたへすずしき風やふくらん」
明日は立秋です。
まだこんなに暑いのに?というところですが、太陽黄経が135度の日です。
ややこしいことに、新暦8月7日は、太陰暦(旧暦:月の運行による暦)では、6月18日。
まだ水無月の半ばだったりします。
令和2年の水無月(みなづき)晦日(つごもり)、6月29日は新暦8月18日(火)。
ああややこしや、ややこしや。
先日ご質問のあった、かな文字学習の入門に手頃な一冊。
笠間書院の『字典かな』です。
漢字も読めるようになりたい。
ならば、『くずし字解読辞典』がおすすめです。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント