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2018/02/01

大日本物産図会 信濃国氷中八ツ目鰻採ノ図

『東洋通信』2018年2月号が届きました。
表紙は冬らしい湖上の氷です。

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『大日本物産圖會』「信濃國氷中八ツ目鰻採ノ圖」
安藤徳兵衛(三代歌川広重)画
大倉孫兵衛板 明治時代
東洋大学附属図書館蔵

明治10年(1877)の第1回内国勧業博覧会に合わせて販売された錦絵で、日本各地の物産を紹介するために作成されたシリーズもの。
                                                                        
「信濃國氷中八ツ目鰻採ノ圖」
八ツ目鰻(ウナギ)は信州諏訪(スハ)の湖(ウミ)に採(ト)るものを名産とす。
上下の諏訪一里計のあひだ、湖水(コスヰ)氷にて張つめたる上に
小家を営(イトナ)み漁夫の休(イコ)ふ所となし、
氷上に薪(タキヾ)を積焚(ツミタキ)て所々に穴を穿(ウガ)ち
延縄(ハヘナハ)に共(トモ)餌(ヱ)を付て釣(ツリ)取(トル)こと移(オビタヽ)し。
又手繰網(タグリアミ)にて石班魚(アカハラ)を採(トル)事おほし。

同じ趣向としては、二代目広重の「諸国名所百景」「信州諏訪湖八ツ目鰻赤魚を取」があります。
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Catching Lamprey, Eel, and Rockfish on Lake Suwa in Shinano Province, 1860, 3rd month

とはいえ、これらに先行するのは寛政11(1799)年刊『日本山海名産図会』です。

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凍結する湖の中でも、諏訪湖は有名です。

諏訪湖の氷上網漁については延文元年(一三五六)『諏訪大明神画詞』に記載されており、それが氷曳網漁の可能性もあるが、氷曳網漁が明確に文献に現われるのは戦国時代末期であるという。……氷曳網はその技法が精緻で規模もこの小湖にしては大きすぎたので、明治期に入って旧藩の保護統制策がくずれると、濫獲の結果消滅していった。その後はゴロビキ(刺網)などが主体となった。『国史大辞典』「氷上漁業」

慶長17(1612)年成立、寛永7(1630)年刊、林羅山の『多識編』(国会蔵本は慶安2(1649)年板)にヤツメウナギの記述があります。

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『浮世物語』〔1665頃〕一・二「痩疲れたるを赤蝦・八目(魚單)(ヤツメウナギ)色々与へて、養性いたしければ」
とあるように、八目鰻の栄養価が高いことは知られていたのでしょう。鳥目の薬としても知られています。

歌枕や名所といった絵と資料を扱った本を少しずつでも読みたいものです。
今回の信濃ヤツメウナギは入っていませんが
鈴木健一さんの『江戸諸國四十七景 名所絵を旅する (講談社選書メチエ)

1 松前昆布
2 外ヶ浜
3 岩手山 など北から始まり、
~47 琉球 南まで。
興味深い一冊です。

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