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ほととぎすの声

ほととぎす鳴きつる方を眺むればただ有明の月ぞ残れる 後徳大寺左大臣
Dscf9876 写真は『夏の月』とらやの生菓子です。

今夜の月齢は26.9日、もう細い細い月とそのそばに金星が光るはずです。

ですから、有明の月……というわけにはいかないでしょうが、
さきほど、どこかでホトトギスの「トウキョウトッキョキョカキョク」というような鳴き声が聞こえました。
まだ自然の多い多摩地区ですのでホトトギスもどこかに生育しているのでしょう。

古典の世界では、ホトトギスの鳴き声を聞く、すなわち五月の訪れです。
本日5月26日(月)は旧暦4月28日、たしかにもうすぐ旧暦5月です。
京都とは多少時差があるとは思いますが、存外、旧暦通りに季節はうつろうこともあるようです。

現在の暦では五月ももう終わりですが。
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『小倉擬(なぞらえ)百人一首』 広重
上の後徳大寺大臣は少し上向き。やはりホトトギスの声が聞こえた方角を眺めているのでしょう。下の擬えの趣向は「高橋弥十郎」「妻さつき」というところから歌舞伎の『絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)』。雲間の月の前を横切るほととぎす、足下には水辺に咲くカキツバタ。妻の名の「さつき」と響き合い、五月のもの尽くしとなっています。

澤辺に咲る紫ハ、文箱の紐の朱を奪ひ、利口の邦家を覆す。姦臣を除く秘密の文章、彼所へ流して遣水の、心すゝしき婦夫ハ、声高橋時鳥、我身の皐月と啼ぞわたれる  柳下亭種員筆記

なるほどこのように絵と言葉が対応するのですね。

写真は5月5日(月)の根津美術館庭園のカキツバタですが、ちょっと圧倒的な迫力でしたか。
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