« 2014年1月 | トップページ | 2014年9月 »

ほととぎすの声

ほととぎす鳴きつる方を眺むればただ有明の月ぞ残れる 後徳大寺左大臣
Dscf9876 写真は『夏の月』とらやの生菓子です。

今夜の月齢は26.9日、もう細い細い月とそのそばに金星が光るはずです。

ですから、有明の月……というわけにはいかないでしょうが、
さきほど、どこかでホトトギスの「トウキョウトッキョキョカキョク」というような鳴き声が聞こえました。
まだ自然の多い多摩地区ですのでホトトギスもどこかに生育しているのでしょう。

古典の世界では、ホトトギスの鳴き声を聞く、すなわち五月の訪れです。
本日5月26日(月)は旧暦4月28日、たしかにもうすぐ旧暦5月です。
京都とは多少時差があるとは思いますが、存外、旧暦通りに季節はうつろうこともあるようです。

現在の暦では五月ももう終わりですが。
A
『小倉擬(なぞらえ)百人一首』 広重
上の後徳大寺大臣は少し上向き。やはりホトトギスの声が聞こえた方角を眺めているのでしょう。下の擬えの趣向は「高橋弥十郎」「妻さつき」というところから歌舞伎の『絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)』。雲間の月の前を横切るほととぎす、足下には水辺に咲くカキツバタ。妻の名の「さつき」と響き合い、五月のもの尽くしとなっています。

澤辺に咲る紫ハ、文箱の紐の朱を奪ひ、利口の邦家を覆す。姦臣を除く秘密の文章、彼所へ流して遣水の、心すゝしき婦夫ハ、声高橋時鳥、我身の皐月と啼ぞわたれる  柳下亭種員筆記

なるほどこのように絵と言葉が対応するのですね。

写真は5月5日(月)の根津美術館庭園のカキツバタですが、ちょっと圧倒的な迫力でしたか。
Sn3g0858


| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

天理ギャラリー 漢籍と日本人 -中国古典籍の伝来と受容

<< 天理ギャラリー 第152回展 >>
 漢籍と日本人 -中国古典籍の伝来と受容

会 期 : 平成26年5月18日(日) ~ 6月15日(日)
時 間 : 午前9時30分 ~ 午後5時30分
会 場 : 天理ギャラリー(東京天理教館9F)

Img_0562

天理図書館にはすばらしい古典籍コレクションがあります。
今回は、そのなかから漢籍を中心に、中国古典籍がいかに日本に伝来し、受容され、広まっていったかを見るのにコンパクトなのにわかりやすく、しかもめったに見られない資料が見られる、その上無料!という古典籍好きにはたまらない展示です。(すみません、少し興奮してしまいました)

朱引(しゅびき:漢籍などに書き入れられる赤い線)の歌や、ヲコト点の解説、最後に年表などもあり、書物に興味のある学生さんにもお勧めしたい親切な展示です。いや、もう学生さん連れてきたい。授業で説明した貴重書が目の前にあるのですから。

個人的には、今川家の駿河版、初めて見られました。
「佐伯文庫」の本も天理に来ていたのですねー。いやもう楽しいひと時でした。もう一度行けたら行きたい。

図録は1部600円。ただし、せっかく展示されている刊記や解説すべてが載っているわけではないのは残念。しかし、とても美しい図録で、このお値段は良心的。やはり、その分実物をじっくり見ましょう。一期一会と思わなければ。

来週5月31日には講演会もあり、今回展示されている資料について斯道文庫の高橋先生が語ってくださるとのことです。

会場は、JR神田駅西口、または都営地下鉄小川町駅にほど近い、天理ギャラリーです。ここはこの展示の時にしか来ないのですが、周辺がやはり神田だけあっていろいろなお店がありますので、食べる楽しみも十分あります。ただし、ビジネス街ですから日曜日には閉まっているお店も多いので要注意。

ギャラリーから御茶ノ水駅に向かって歩くと寛永堂の神田小川町店があったので、黒豆茶をごちそうになり、暑かったので口当たりの良いお菓子を購入。写真は微妙ですがぷるんぷるんの寒天の口触りと豆・栗のほっこり感がよかったです。

Dscf9880

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

« 2014年1月 | トップページ | 2014年9月 »