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2013/08/31

曼荼羅展 宇宙は神仏で充満する!

根津美術館 コレクション展 「曼荼羅展 宇宙は神仏で充満する!」
2013年7月27日(土)~9月1日(日)

すごいタイトルの展覧会です。
そして、タイトルだけではなく、確かに宇宙がそこにはありました。
曼荼羅は仏教による世界観を表している……程度の知識しかないのですが、
そこには、人間がいかに世界を理解しようとしているか、その挑戦の軌跡のようにも見えてきました。
そして、今回の品は平安時代から室町時代に至る品々です。
よくぞここまで残ってくださった、ありがたやありがたやと拝みたいような展覧会です。

構成は次のようになっています。
展示室1 密教の絵画と工芸
展示室2 浄土曼荼羅
      垂迹曼荼羅
展示室3・ホール・地階 仏教彫刻の魅力

今回、気になったのはその表装です。それぞれ豪華な金襴の裂(きれ)を使っているのですが、三鈷の模様がふんだんに使われています。この金襴の豪華なこと!曼荼羅自体がわりあい豪華なのですが、表装の豪華さも負けてはいません。仏教用語に「荘厳する」(仏像や仏堂を美しく厳かに飾ること)という言葉がありますが、まさにその通り荘厳です。

そして、仏に何を祈るのか。その願いによって描かれる図像が異なります。
例えば、愛染明王が左手に日輪を持つなら、息災法。珠なら増益法。独鈷杵は調伏法。蓮は敬愛法、などとその修法によって異なるというのです。
「月輪の左右上方に後醍醐天皇(在位1318〜39)の宸筆(しんぴつ)と伝える偈文(げもん)が墨書される」愛染明王座像の左手には宝珠。後醍醐天皇は何を願ったのでしょう。
日本国語大辞典には次のようにありますが、さて。

増益法:密教の四種修法、および五種修法の一つ。寿命、福楽、栄官など功徳円満を祈る秘法。

基本的に1階が曼荼羅展です。
冷房が効いていて涼しい館内ですが、1,000年近くもの間、実際に祈りの対象となっていた絵や像を見ていると圧倒されます。
そこで、一息ついて2階の展示室へ。
こちらはある意味とても涼しい展示です。

展示室4 古代中国の青銅器
展示室5 茶席の主・釜
展示室6 盛夏の朝茶事
特別ケース 宝飾時計

これでもかこれでもかと装飾された青銅器。

中国古代の装飾文様の一つ。主として殷・周の青銅器を飾る怪獣文。大きな口、ひろく見開かれた両眼、巨大な双角をもつ獣面を中心に左右相称に配した胴部を基本とした図形で、変化に富む。呪術的な意味内容をもつものと考えられている。

ここにも何かはわからないけれど、何らかの祈りや願いが込められています。
こちらは紀元前13~12世紀。いや、もう圧倒されます。

そこで、茶席の室礼(しつらい)を見て気を静めます。
庭園内のNEZUCAFEで一休みしたいところですが、ここは今日も混んでいたので、外に出て手持ちのペットボトルのお茶で一息。

さて、ホームページを見るといつの間にか、携帯アプリ(スマホ・タブレット対応)ができていました。
iPadに入れてみるとじわーっと展示物が動きます。
ぼんやり見るのも、目を皿のようにして見るのも良し。

今回の展示図録はありませんが、『根津美術館蔵 密教絵画 鑑賞の手引き』(2013年新刊)に密教絵画20点が載っています。
美術史としてみるならこちらでしょうか。
密教美術というなら『密教の美術―修法成就にこたえる仏たち (仏教美術を極める)』かな。


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2013/08/26

アーサー王の墓所の夢

最近、アーサー王ものをよく見かけます。
イギリスBBCの魔術師マーリン The Adventures of Merlin 

アメリカ・カナダ・アイルランドのキャメロット~禁断の王城~

『Fate/Zero』 のセイバーとか
あ、違うのも混じってしまった。

さて、そんなことで手にしてしまったのが、
この『アーサー王の墓所の夢』 (創元推理文庫) アリアナ・フランクリン。

町ごと大火で焼失したグラストンベリー大修道院の墓地から、国王ヘンリー二世の命により掘り出された二体の人骨。それは伝説のアーサー王とその妃のものなのか?住み慣れた町を追われた女医アデリアは王に依頼され、供を連れ骨の鑑定に赴くが、途中まで一緒だった友人エマの一行は消息を絶ち、目的地でも数々の危難が待ち受ける…。CWA最優秀歴史ミステリ賞シリーズ第三弾。

とあるように、シリーズものの第3作です。

時代設定は12世紀イギリス。ヘンリー2世が内乱を切り抜け、イギリスにコモン・ローを整えつつあった時代。カンタベリー大司教のトマス・ベケット殺害事件の影響がまだ残るころです。

修道士カドフェルシリーズは12世前半のスティーブン王とマティルダ女王の内乱時代を舞台としていましたが、この作品はそのマティルダの息子でプランタジネット朝の初代にあたるヘンリー2世の時代です。

そして、主人公はサレルノ大学で医学を学んだ女医アデリアということで、歴史ミステリーとロマンスの物語になっています。
アデリアは貴族の奥様に収まるのがいやでシングルマザーとなったものの、まだ恋人に未練というか、思いが残っていて……。
そう。読み終わった後、なんだかハーレクイン・ヒストリカルを読んだような気分になります。
結局はヘンリー2世がおいしいところを持って行くのでまあよしかなと。

世界史を思い出しつつ、観光ガイドを見るとけっこうはまりそうです。
グラストンベリー・トー
Glastonbury Abbey

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2013/08/18

文字の力・書のチカラII  ―書と絵画の対話

出光美術館(東京・丸の内)
文字の力・書のチカラII  ―書と絵画の対話
2013年7月6日(土)~ 8月18日(日)

本日で最終日。
今年の夏は、日本の書に注目!というように、東博と出光は見ごたえのある書を展示しています。
最近の流行なのか、歴史的変遷をじっくり勉強するというより、まずは書の美しさおもしろさを感じて欲しい、
というコンセプト。

個人的には後陽成天皇、光悦の書を見に行ったのですが、目から鱗のような作品として、
六字一行書「南無布袋和尚」伝雪舟(徳川美術館蔵) 室町時代 があります。
ここのキャプションには「何がいくつ?」とあったのですが、字をよーく見ると、そこには鳥の姿が見えてきます。
不明にしてこのような書があったとは知りませんでした。

まず、出光美術館で目を書に慣らして、次はこちらにじっくりとりかかるといたしましょう。

東京国立博物館 特別展「和様の書」
平成館 特別展示室 2013年7月13日(土) ~ 2013年9月8日(日)

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2013/08/13

旧暦の七夕

2013年8月13日は旧暦では7月7日。七夕です。

昨夜は夕立というより、激しい雷雨の後も曇っていたので空は見えませんでした。
せっかくペルセウス座流星群の夜でしたが。Brdwpcpceae1g5ijpglarge

とはいえ、最近ゆっくり空を眺めていません。
   寝て明かす宿には月も夜離れせよ見ぬものゆゑに惜しき光を    長嘯子

東京では見られないかなと、ペルセウス座流星群中継@国立天文台 岡山天体物理観測所を見ながら眠ってしまいました。

さて、今夜の月は見られましたが、星はどうでしょうか。
6kasasagi
天の川にカササギの橋がかかって織り姫と彦星は会えるのだという伝承に因んだ絵が、江戸前期の『百人一首像讃抄』にあります。当時はこのように言われていたのですね。
『新明題和歌集』に七夕とかささぎを詠んだ歌があります。

    烏鵲成橋
浅からぬ契しられて天の川あふせにわたすかささぎの橋      飛鳥井雅章
七夕を思ふに夢のわたりとやたどる一夜のかささぎの橋      中院通茂
めぐりあふ二の星やかささぎのより羽に契るあまのうき橋      白川雅喬

さて、今宵の星空はどうでしょう?


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2013/08/04

立川オクトーバーフェストと第41回昭島市民くじら祭夢花火

先週は雨に降られて立川の花火は中止となってしまいました。
そこで、今週末は立川の隣の昭島市民くじら祭夢花火をみてみようかと。

電車に乗ったところ、立川オクトーバーフェストの釣り広告が目に入りました。
よし。ビールを飲みながら花火を見よう!と、国立昭和記念公園へ。
距離的には見えるはず。
Tachikawa_6
ヴァイスビアとソーセージのセットを用意。

20:20 そろそろ花火が始まるはず。
20:30 ビール・食事のラストオーダーだけれど、もうお腹いっぱい。
ソーセージは塩がきいていてビールに合うし酢漬けキャベツもわりと好き。
このパンはおいしかった。
Tachikawa_4a
花火の方は……しまった。昭島の花火会場と昭和記念公園の直線距離はともかく、公園内の橋(?)が邪魔。
そこで、見える方へ見える方へと移動。

まあなんとか、花火は満喫。ビールもおいしかった。
オクトーバー(10月)じゃないのに、という突っ込みはともかく、オクトーバー(8番目の月)と思えばまあいいか。
日本の風土では暑い時期に冷たいビールがおいしいから気にしないということで。

立川オクトーバーフェスト2013
2013年8月2日(金)〜8月11日(日)
平日13:00〜21:00  土日11:00〜21:00 (L.O. 20:30)
国営昭和記念公園 みどりの文化ゾーン

国文研で調査を18時までして、帰りがけに一杯飲むのも可能です。

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2013/08/03

8月、気になる展覧会

夏です。暑い時期は涼しい美術館・博物館でまったりしたいものです。


○大倉コレクションの精華II―近代日本画名品選―
2013年8月3日~9月29日大倉集古館(東京・六本木一丁目)

○【特別展】生誕140年記念 川合玉堂 ―日本のふるさと・日本のこころ―
2013年6月8日~8月4日山種美術館(東京・恵比寿)

○レオ・レオニ 絵本のしごと
2013年6月22日~8月4日bunkamura ザ・ミュージアム(東京・渋谷)

○文字の力・書のチカラII ―書と絵画の対話
2013年7月6日~8月18日出光美術館(東京・日比谷)

○特別展 つきしま かるかや -素朴表現の絵巻と説話画
2013年6月11日~8月18日日本民芸館(東京・駒場)

○江戸の美男子―若衆・二枚目・伊達男
2013年7月2日~8月25日太田記念美術館(東京・原宿)

◇生誕250周年 谷文晁
2013年7月3日~8月25日サントリー美術館(東京・六本木)

○特別展観 遊び
2013年7月13日~8月25日京都国立博物館(京都)

◇特別展 大妖怪展―鬼と妖怪そしてゲゲゲ
2013年7月6日~9月1日三井記念美術館(東京・三越前)

○コレクション展 曼荼羅展 -宇宙は神仏で充満する!
2013年7月27日~9月1日根津美術館(東京・表参道)

○江戸東京博物館 開館20周年記念特別展 「花開く 江戸の園芸」
2013年7月30日~9月1日江戸東京博物館(東京・両国)

◇浮世絵 Floating World-珠玉の斎藤コレクション
2013年6月22日~9月8日三菱一号館美術館(東京・二重橋前)

○特別展「和様の書」
2013年7月13日~9月8日東京国立博物館(東京・上野)

○プーシキン美術館展 フランス絵画300年
2013年7月6日~9月16日横浜美術館(神奈川・みなとみらい)

○再興院展100年記念 速水御舟 ―日本美術院の精鋭たち―
2013年8月4日~10月4日山種美術館(東京・恵比寿)

○レオナール・フジタ展 ~ポーラ美術館コレクションを中心に~
2013年8月10日~10月14日bunkamura ザ・ミュージアム(東京・渋谷)

○大野麥風展 Art Portfolio of Fishes by Bakufu Ohno
2013年7月27日~9月23日東京ステーションギャラリー(東京・東京)

○ファインバーグ・コレクション展 ―江戸絵画の奇跡―
2013年7月20日~8月18日MIHO MUSEUM(滋賀)

○チェブラーシカとロシア・アニメーションの作家たち
2013年7月12日~9月1日八王子夢美術館(東京・八王子)

○ルーヴル美術館展─地中海 四千年のものがたり─
2013年7月20日~9月23日東京都美術館(東京・上野)

○企画展「花火-技術書と浮世絵-」
2013年7月13日~8月11日すみだ郷土文化資料館(東京・本所吾妻橋)

○涼をもとめて
2013年8月3日~9月16日畠山記念館(東京・高輪台)

○夏の粋。ここはお江戸の水族館
2013年7月13日~9月1日すみだ水族館(東京・とうきょうスカイツリー)

○歌川広重「月に雁」―花鳥風月の美
2013年8月31日~9月26日太田記念美術館(東京・原宿)

○大倉コレクションの精華II―近代日本画名品選―
2013年8月3日~9月29日大倉集古館(東京・六本木一丁目)

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