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2009/04/20

禁裏本と古典学

研究員として参加していた「『高松宮家伝来禁裏本』の総合的研究」の結果の一部が本になりました。
塙書房から出版された『禁裏本と古典学』です。

内容は以下のとおり。
高松宮家に伝来した文庫の変遷とそこに収められた書籍の数々を紹介しています。
高松宮家は江戸初期の後陽成天皇の皇子・好仁親王を初代として近代まで続いた宮家です。
三代目の幸仁親王の代に有栖川宮と改称し、近代になって高松宮に戻りました。

表紙がマジメなように、内容も実にマジメな本です。
ここに論文を書いている人々も実にマジメな方々です。
24時間、資料調査を続けられる(のではないかと確信できる)方々です。
そして、この文庫を調べると、天皇や廷臣たちがいかにマジメだったか。写本を作ることの重要性と必要性がよくわかります。研究ノート的な資料も数々あります。


【目次】
第一部 禁裏・宮家文庫の形成 
  万治四年禁裏焼失本復元の可能性―書陵部御所本私家集に基づく―
                                          (久保木秀夫)
  東山御文庫本『御本御目録』と高松宮家伝来禁裏本(石田実洋)
  江戸時代前期の禁裏における冷泉家本の書写活動について(酒井茂幸)
  『非蔵人日記公事抜萃』所収禁裏御文庫虫払・入替記事の紹介(小倉慈司)

第二部 記録と文書の伝来
  洞院家旧蔵の部類記と洞院公定
      ―高松宮家伝来禁裏本『脱屣部類記』を中心に― (石田実洋)
  甘露寺親長の儀式伝奏と別記『伝奏記』の作成
      ―室町後期における公家官制史の一考察―(井原今朝男)
  有栖川宮家伝来・高松宮家旧蔵古筆手鑑『大手鑑』の鑑定について                                          (中村健太郎)
  前田綱紀収集「秘閣群籍」の目録について (吉岡眞之)

第三部 歌書と注釈の製作
  禁裏における名所歌集編纂とその意義
     ―後陽成天皇撰『方輿勝覧集』を中心に―(小川剛生)
  近世御会和歌資料と自筆懐紙
     -付、御会和歌年表(寛永~承応期)-(大内瑞恵)
  御所伝授と詠歌添削の実態  
     -高松宮家伝来禁裏本『灌頂三十首』について-(盛田帝子)
  霊元院宸翰聞書類採集(一)
     -天理大学附属図書館蔵『古今和歌集序注』、
      国立歴史民俗博物館蔵高松宮家伝来禁裏本『古今集序聞書』
      『古今和歌集注』-                         (海野圭介)

第四部 蔵書目録の解題と翻刻
  『歌書目録』(宮内庁書陵部蔵桂宮本)  (酒井茂幸)
  『記録目録』(国立歴史民俗博物館蔵高松宮家伝来禁裏本) (小倉真紀子)
  『西面御文庫 宸翰古筆並和漢書籍総目録』(宮内庁書陵部蔵有栖川宮本)
                                          (小川剛生)

同時進行で国立歴史民俗博物館からは、目録が刊行です。
合わせて見ると、この文庫に伝来する書籍の多彩さにあらためて驚かされます。

一方、この目録の校了へたどりつくまでの、艱難辛苦は……。
編集中に「病院…、持病…、めまい…、腰痛…、」という単語も飛び交いました。
本当に無事刊行できてよかったです。

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2009/04/19

ロシア・サンクトペテルブルク2

先年、東京都美術館で国立ロシア美術館展を見ました。
そして、先月、国立ロシア美術館に実際に行きました。
Gazou_252美術館の前の公園にはプーシキンの像があります。
が、その頭は鳩の憩いの場となっているようで、ずーっと鳩がプーシキンの頭に乗りっぱなしです。
帰りに見たときに、鳩がいない!と思って近づくと
バサバサバサ…やはり鳩は帰ってきます。
今度は手の上。
Gazou_327
ロシア人のみならず鳩にも愛されるプーシキン。。。

さて、美術館へ。
ここは、もともとが宮殿です。立派な門です。
Gazou_255


さて、日本で見た絵にロシアで再会できるのはとてもうれしいものです。
が、大きな違いが一つ。
日本で見たときは、よくもまあこんな大きな作品を!と、思ったのですが、
Gazou_287
ミハイロフスキー宮殿の一室は広い上に天井が高い。
Gazou_288
この部屋にこの絵の大きさはとても自然です。

こうしてみると、日本の美術館って小さいことがよ~くわかります。

おりしも、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで『国立トレチャコフ美術館展 忘れえぬロシア』が行われています。こちらはどうでしょう?楽しみです。

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2009/04/18

シルクロード 文字を辿って―ロシア探検隊収集の文物

3月にロシアのサンクトペテルブルクに行きました。
Gazou_233

普通、観光シーズンは夏です。この時期の観光は人が少ないので、混雑嫌いにはいい時期です。
ただ、街中は、北国名物、春先のアスファルトの粉塵で、昔の北海道のように(スタッドレスタイヤ普及前)、ほこりまみれです。

夏の観光シーズンには入口に行列が出来るというエルミタージュ美術館
氷点下の気温の中、宮殿の美しさに見とれていると、微妙に違和感のある、しかし妙に見慣れた仏様のポスターが出ていました。
ロシア科学アカデミーの千仏洞コレクションの展示です。
Gazou_137
いや、何でまたエルミタージュで仏頭を見るの?
もっといろいろあるでしょう?
という、ツッコミはともかく、千仏洞といえばベゼクリク、有名な(?)ロシア探検隊が蒐集していった品々です。

とはいえ、これは日本で再会することができそうです。
少々先の話ですが、

京都国立博物館で、この夏、特別展があります。

H21.7.14(火)~9.6(日)

特別展覧会
シルクロード 文字を辿って―ロシア探検隊収集の文物―

サンクトペテルブルグのロシア科学アカデミー東洋写本研究所には、ロシア探検隊が敦煌及び中央アジア各地において発見した貴重な文献とその断片、合わせて約2万件が所蔵されています。悠久のシルクロード周辺で記された典籍類や記録は、時代的にはほぼ4世紀から12世紀にわたっており、写本の仏教経典を中心に漢文・西夏語・コータン語・トハラ語・ソグド語のものなどもあります。それらの中から選りすぐった優品約150件を展示、その大半が日本初公開です。
会場 京都国立博物館 特別展示館

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2009/04/17

今週末から連休にかけて

怒濤のような年度末が過ぎ、
新学期が始まりました。
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桜はあっという間に終わってしまいましたが、
いよいよ新緑の季節です。

○特別展 平泉
2009年3月14日~4月19日,世田谷美術館(用賀)

○月岡芳年展 -描く-
2009年4月1日~4月24日,専修大学 生田キャンパス 図書館研修室(120年記念館3階)(神奈川/向ヶ丘遊園)

○北斎没後160年 大北斎展
2009年4月6日~4月25日,砂子の里資料館(神奈川/川崎)

○企画展 中村不折コレクション 「法帖と帖学派」
2009年2月28日~4月26日,書道博物館(東京/鶯谷)

○平成21年春季展 住友コレクションの中国絵画
2009年3月14日~4月26日,泉屋博古館(京都)

○ジャパニーズ・ビューティ -浮世絵にみる日本女性の美-
2009年4月1日~4月26日,太田記念美術館(東京/原宿)

○月岡芳年名品展ー新撰東錦絵と竪二枚続
2009年4月4日~4月29日,UKIYO-e TOKYO(東京/豊洲)

○企画展示 錦絵はいかにつくられたか
2009年2月24日~5月6日,国立歴史民俗博物館(千葉/佐倉)

○企画展 山水に遊ぶ 江戸絵画の風景250年
2009年3月20日~5月10日,府中市美術館(東京/府中)

○開館30周年記念 館蔵品展 幻惑の板橋ー近世編
2009年4月4日~5月10日,板橋区立美術館(東京/西高島平)

○館蔵 春の優品展ー水墨画・古筆と陶芸
2009年4月4日~5月10日,五島美術館(東京/上野毛)

○美術館に行こう!ディック・ブルーナに学ぶモダン・アートの楽しみ方
2009年4月4日~5月10日,埼玉県立近代美術館(埼玉/北浦和)

○大和し美し 川端康成と安田靫彦
2009年4月4日~5月10日,千葉市美術館(千葉/千葉)

○特別展示 国宝 源氏物語絵巻 鈴虫一・鈴虫二・夕霧・御法
2009年4月29日~5月10日,五島美術館(東京/上野毛)

○横山大観と木村武山
2009年3月14日~5月17日,講談社野間記念美術館(東京/江戸川橋)

○一瞬のきらめき まぼろしの薩摩切子
2009年3月28日~5月17日,サントリー美術館(東京/六本木)

○筆墨の美―水墨画展 第一部 中国と日本の名品
2009年4月4日~5月17日,静嘉堂文庫美術館(東京/二子玉川)

○日仏交流150周年記念特別展「Story of …」カルティエ クリエイション~めぐり逢う美の記憶
2009年3月28日~5月31日,東京国立博物館(東京/上野)

○芳年美人画-風俗三十二相-
2009年5月1日~5月31日,UKIYO-e TOKYO(東京/豊洲)

○ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち L'Enfant dans les collections du Mus?e du Louvre
2009年3月25日~6月1日,国立新美術館(東京/六本木)

○特別展 興福寺創建1300年記念 「国宝 阿修羅展」
2009年3月31日~6月7日,東京国立博物館(東京/上野)

○国立トレチャコフ美術館展 忘れえぬロシア
2009年4月4日~6月7日,Bunkamura ザ・ミュージアム(東京/渋谷)

○国立西洋美術館開館50周年記念事業/日本テレビ開局55年記念事業「ルーブル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画」
2009年2月28日~6月14日,国立西洋美術館(東京/上野)

○皇女たちの信仰と御所文化 尼門跡寺院の世界
2009年4月14日~6月14日,東京芸術大学大学美術館(東京/上野)

○芸大コレクション展 春の名品選
2009年4月14日~6月14日,東京芸術大学大学美術館(東京/上野)

○春季展示 「近代絵画、セザンヌから梅原・安井まで」
2009年3月28日~6月21日,永青文庫(東京/江戸川橋・雑司ヶ谷)

○特別展 松浦家とオランダ残照
2009年5月16日~6月21日,五島美術館(東京/上野毛)

○『芳年 -「風俗三十二相」と「月百姿」-』
2009年5月1日~6月26日,太田記念美術館(東京/原宿)

○三井家伝来 茶の湯の名品
2009年4月15日~6月28日,三井記念美術館(東京/三越前)

○エカテリーナ2世の四大ディナーセット ヨーロッパ磁器に見る宮廷晩餐会
2009年4月16日~7月5日,東京都庭園美術館(東京/白金台)

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