« 日本を祝う~サントリー美術館 | トップページ | 4月の展覧会2 »

2007/04/11

江戸文学の冒険

いつもお世話になっている方が本を出されました。

江戸文学の冒険』です。

その表紙はこのようなものでした。
Edoboken2

この表紙の絵は、歌川国芳の「みかけはこわゐがとんだいゝひとだ」 (嘉永年間)です。
もとの絵には


 

大ぜいの
   人がよつて
  たかつて とふと
  いゝ人を こしらへた

という文がついているのですが、まさにこの本は、上智大学・大輪ゼミの方々が集まって作った本です。
集まって作った→さまざまなジャンルについての論考がここには集まっています。

Ⅰ 江戸時代の文芸の新しさ-芭蕉・西鶴・近松を例に 大輪靖宏
Ⅱ 西鶴の越境力-絵とテクストを越えるもの 染谷智幸
Ⅲ 〈取合せ〉の可能性-実作のための芭蕉論 峯尾文世
Ⅳ 元禄上方地下の歌学-金勝慶安の場合 神作研一
Ⅴ 能をみる俳人-季詞「薪能」の成立と変遷 纓片真王
Ⅵ 恋愛の演技-『春色梅児誉美』を読む 井上泰至
Ⅶ 素描・滝の本連水-芭蕉を愛した明治俳人 森澤多美子
Ⅷ 語るように読む-講談本を「読む」 藤澤毅
Ⅸ 異相の文明開化-擬洋風と散切物と新題句と 塩崎俊彦

それにしても、図書館などに入ると帯がはずされてしまうのがちょっと残念な作りです。
Edoboken

「江戸文学の冒険」-とは何か?

実はタイトルはこちらになさりたかったのでしょうか?

国文学の書籍の売れ行きが今ひとつなご時世です。「出版自体が冒険だよ」と、執筆者のお一人は笑っておられましたが、思わぬ趣向がこらされた1冊です。

|
|

« 日本を祝う~サントリー美術館 | トップページ | 4月の展覧会2 »

コメント

『江戸文学の冒険』の装丁をしました林佳恵と申します。
版元さんからのFAXにて「晴歩雨読」を拝見。
カバーのデザインを始めて三十数年となりますが、
装丁者のいたずらに気付かれてしまったとは……未熟。

カバー・帯・表紙・本扉のデザインはそれぞれに役割りがあると思っております。
帯をほどいた、いやはずした時のカバー、私はカバーを本の着物と見立てております。
着物をとった本体が表紙……。
表紙は、まあ人になぞらえれば「彫り物」とでも申しましょうか。
背の天地の花切(はなぎれ)は、小さな部分ですが本体を色、柄で
引き締める重要な役目を持っている部分です。
今回はピリリととうがらし色の縞模様で決めてみました。
章扉は、町奴(まちやっこ)などが用い、ゆかたや手拭いの
意匠に使われた「かまわぬ」の判じもの。

帯の文章の「―とは何か?」は私が入れさせていただいた文です。
棒線を加えたデザインに版元さんからクレームがつくかと思いきや、
なんのおとがめなし。
「あうん」の呼吸とでもいいましょうか。
はたまた、その棒線一本に気付いて下さった方がおられたとは、
うれしい限り。
お礼まで。

投稿: 林佳恵 | 2007/04/30 23:58

林佳恵さま

はじめまして。

連休が終わって久しぶりにパソコンを開いて驚きました。装丁をなさった方からコメントをいただけるとは!


>カバー・帯・表紙・本扉のデザインはそれぞれに役割りがあると思っております。
>帯をほどいた、いやはずした時のカバー、私はカバーを本の着物と見立てております。
思えば、本の「帯」も帯だったのですね。

ふだん、仕事柄、文章にばかりとらわれてしまって、ゆっくりと本を眺めることが減っています。
ひさしぶりに、1冊の本とじっくり向き合って楽しみました。

こちらこそありがとうございます。

投稿: ruihui | 2007/05/07 23:09

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/87283/14645759

この記事へのトラックバック一覧です: 江戸文学の冒険:

« 日本を祝う~サントリー美術館 | トップページ | 4月の展覧会2 »