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2006/01/15

歌仙の饗宴

kasennnokyouen古今和歌集1100年記念祭『歌仙の饗宴』が始まりました!

会期 2006年1月7日(土)~2月12日(日)
会場 出光美術館
開館時間 午前10時~午後5時
(入館は午後4時30分まで)
       毎週金曜日は午後7時まで
(入館は午後6時30分まで)
narihiramatabe

第1室~第3室までを6つのテーマに分けて展示してありました。

 第1室 佐竹本三十六歌仙絵の魅力 
~鎌倉時代。 アノ『佐竹本三十六歌仙』のうち9枚が登場。
      ヒトマロの影―歌聖像の伝播
 ~鎌倉時代~室町時代+江戸時代。
      歌仙の秀歌
     ~奈良~平安時代+鎌倉時代。  古筆手鑑や古筆切・断簡など。
 第2室 業平と伊勢物語
 ~ここから江戸時代。岩佐又兵衛、伝狩野山楽など。
      歌仙の饗宴
    ~江戸時代のさまざまな「三十六歌仙図」が展開します。
 第3室 歌仙の饗宴
    ~左上の鈴木其一の『三十六歌仙図』もここに展示されています。

図録は次のように構成されています。
 歌仙の秀歌
  似絵から歌仙絵へ  若杉準治氏
 佐竹本三十六歌仙絵の魅力
  三十六歌仙早わかり 
 ヒトマロの影―歌聖伝播
 業平と伊勢物語
 歌仙の饗宴
  神のいます世界―佐竹本三十六歌仙絵と人麿像  笠嶋忠幸氏
  描かれた歌聖・人麿  佐々木孝浩氏

佐竹本三十六歌仙絵巻の切断については『三十六歌仙絵巻の流転』がおもしろいです。
江戸時代、秋田藩の佐竹家に伝わった「三十六歌仙絵巻」が売りに出されました。ところが、あまりにも貴重な逸品です。なかなか所蔵できる人はいません。そこで、大正8年、益田鈍翁らによって分割されたのが現在あちらこちらに散らばる「三十六歌仙絵(切)」です。
 以前、NHKスペシャルでこの佐竹本三十六歌仙の現在の所蔵者を訪ねるという番組がありました。1983年の放送です。3年ほど前だったでしょうか。NHKアーカイヴズで再放送されました。それが『絵巻切断―佐竹本三十六歌仙の流転』という本になり、さらに文庫本『三十六歌仙絵巻の流転』になりました。

 この益田鈍翁については中公文庫の『鈍翁・益田孝』が読みやすいでしょう。
 幕末に新潟県佐渡に生まれ、明治期三井物産を起こし三井財閥の最高経営者になった人(1848~1938)です。この戦前の財界人らのとんでもない経済感覚にも驚かされます(貧富の差がそれだけあったということでもあります)が、文化に対する考え方には現代の財界人にも見習っていただきたいところがあります。海外の美術品を買いあさるのではなく、日本の美術品を日本に残す。絵巻の切断についてはともかく、現在ある美術館の多くが財閥系の財界人のコレクションを基盤としています。税金対策としても、庶民のワタシにとってありがたいかぎりです。さて、そうしてみると現代のIT長者さんたちはなにを残すのでしょう?

 とはいえ、今回の展示のテーマは人麿像~イメージの変遷というところです。
 まず、万葉集の歌人、柿本人麻呂という人は謎の多い人です。なんといっても奈良時代の人ですし。この万葉歌人が平安時代以降、和歌の聖(ひじり)と呼ばれ、歌聖と尊崇されるようになります。やがて、神仏を拝むように人麻呂の肖像画が伝来するようになるのですが…。「人丸」「人麿」と書かれるときにはもう神さまですね。
 川越に氷川神社がありますが、この境内に人丸神社があります。人麻呂の一族により祀られたそうです。そして、「防火」というご利益があります。「ひとまる」→「ひ・とまる」→「火止まる」とのこと。言霊ですね。
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06-01-09_16-39 余談ばかり書いてしまいましたが、皇居をゆったりと眺めつつ、無料のお茶で一服。美術品の余韻に浸るにはなかなかの眺めです。
ぼーっと空を眺めていると夕暮の空に雲が浮かんでいました。
 装飾料紙の雲紙の雲に見えました。この写真の色あいですと打曇(上が青、下が赤)でしょう。

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コメント

こんばんは。
展覧会終わってしまいましたね。
記事を書くのをすっかり忘れていて
慌てて書きました。。。

投稿: Tak | 2006/02/13 22:42

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