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2005/09/23

プラート美術の至宝展

プラート美術の至宝展―フィレンツェに挑戦した都市の物語05-09-22_16-0905-09-22_16-10
2005年9月10日(土)~10月23日(日)
損保ジャパン東郷青児美術館(損保ジャパン本社ビル42階) 05-09-22_16-14
新宿駅西口より徒歩5分

05-09-22_16-11損保ジャパン東郷青児美術館といえば、ゴッホの『ひまわり』で有名な美術館ですが、今回はイタリアの都市の美術展です。

でも、正直なところプラートってどこ?というぐらいなんにも知りませんでした。トスカーナ地方、フィレンツェ近郊の都市だそうです。ルネッサンス発祥の地はここだそうです。
 が、フィリッポ・リッピという名前を聞くとあれーどこかで聞いたような?そうそう西洋美術史の時間にスライドを見ました。初期ルネッサンスに登場する画家です。フラ・アンジェリコと並ぶ画家であり、ボッティチェリに影響を与えた人ですが、どちらかというと修道女ルクレティアさんとの駆け落ち事件が印象的な画家さんです。この事件のあと、弟子たちが完成させた絵が《身につけた聖帯を使徒トマスに授ける聖母および聖グレゴリウス、聖女マルゲリータ、聖アウグスティヌス、トビアスと天使》です。聖女マルゲリータの顔はルクレティアさんの顔だとか。美人です。plato-lippi

プラートには、この聖母の残した「聖帯」が伝えられ、現存するそうです。plato-battistello
また、この怪しいキリストは「ノリ・メ・タンゲレ―我に触れてはならない」と言っている場面ですが、この帽子のあやしさといったら、もう、なんだか。
キリスト教、メディチ家、毛織物商人―このプラートというフィレンツェ近郊の都市の歴史を概観できる展覧会です。

キリスト教の宗教画を見るといつも思い出すのが、ドイツ留学をした友人のつぶやき。
「西洋の宗教画は描かれるものそれぞれに象徴的な意味が(例えば、鳩=平和とか)明確にあってわかりやすいけれど、日本の宗教画にはそれがないのでわかりづらい」
 当時の私には説明できませんでしたが、象徴と言う点では日本の方もわかりやすいんです。たとえば獅子と牡丹といえば、文殊菩薩というように。
 とにかく、洋の東西を問わず、その歴史的文化的宗教的背景を知って美術を眺めるといっそう奥深い世界を堪能できます。

今回の展示会場にはこのような象徴的な意味も含め、絵の解説も丁寧なのでクリスチャンではなくとも聖書とキリスト教の伝説世界を楽しめました。

図録は2,000円。また、10月1日にはお客様感謝デーとして無料開放されます。
開館時間は 午前10時から午後6時まで、金曜日は午後8時まで
*入場は閉館の30分前まで、とのことです。42階からの眺めもなかなかです。05-09-22_16-13
この展覧会は岐阜、広島へ巡回します。
2005年11月3日~12月25日 岐阜県美術館
2006年1月3日~2月19日 ひろしま美術館

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2005/09/22

真珠の耳飾りの少女

今ごろになって……ですが、ようやく観ることができました。『真珠の耳飾の少女』。ずーっと気になっていたのです。正直なところ、フェルメールの絵の中でこの『青いターバンの少女(真珠の耳飾の少女)』はあまり趣味ではなかったのです。ちょっと口が開いていて、「え?」と何かに答えるかのように、びっくりしたかのように振り返る少女。無垢というか、ちょっとぼんやりしていた?そんな少女の一瞬のすきを描いた?と見えていたのですが。が、この映画を観てがぜん興味がわきました。この映画の主人公グリートは芯の強い、感性豊かな女性です。dresden1
なんといっても、その映像の美しいこと!まさに「絵になる」情景です。そういえば、19日で終わってしまったドレスデン国立美術館展には『窓辺で手紙を読む若い女』が出ていましたが、この世界を映像で見ることができるとは驚きです。以前、TBしてくださったTak氏のサイト BLUE HEAVEN はフェルメールに関してとても詳しいのでおすすめです。それにしても、絵画と映画、その間には密接な関係と明確な差異があります(矛盾した表現ですが)。この映画『真珠の耳飾の少女』は絵画の世界を見事に映像化し、映画としても十分に楽しめるものでした。

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2005/09/19

中秋の名月

18日は中秋の名月。usagi

北海道の友人からは「こちらは雨」というメールが届きましたが、関東では見事な満月でした。
あんまりきれいだったので、写真が撮れないかな~と思いましたが、うまくいきませんでした。

そこで、勉強してみよう。ということで、AstoroArtsのサイトを見てみると、ありました。特集「月を見よう」が。04-11-21_17-30
こちらは以前、京都にて携帯を使って撮影したもの。きれいなお月さまへの道のりは遠いです。

「中秋の名月」だけでは「片見月」となってしまうので、次は「後の月見」旧暦9月13日です。今年は10月15日(土)がその日にあたります。『東都歳時記』などでは、船の上で月を楽しむ人々が多いと書かれていますが、風流でいいですね。

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2005/09/18

平安の仮名、鎌倉の仮名

古今和歌集1100年・新古今和歌集800年記念
『平安の仮名、鎌倉の仮名―時代を映す書のかたち』heiannnokana

2005年11月5日(土)~12月18日(日)
出光美術館にて行われます。

2004年から2006年にかけて、いろいろな展示が行われますので、見て歩くのも忙しいですね。
引き続き、出光美術館では、『古今和歌集1100年記念祭 歌仙の饗宴』展が2006年1月7日(土)~2月12日(日)にかけて行われます。

和歌文学会のHPでもいろいろ紹介されていますので、こちらをご覧になるといっそう古今新古今記念の年を楽しめます。

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2005/09/17

京の雅び・都のひとびと―琳派と京焼

『京の雅び・都のひとびと―琳派と京焼』展
 [併設]仙厓展
kyounomiyabi
期間は2005年9月3日(土)~10月30日(日)。
出光美術館にて行われています。

図録をみると、
第一章 洛中・都の景色―京都の町並みを歩く
第二章 「琳派」という雅び―宗達・光琳の絵画模様
第三章 楽茶碗と仁清・乾山―京の陶芸を楽しむ
という構成になっています。実際の展示では絵画と、陶芸が同時に(交互に)楽しめるようになっています。
表紙は伝俵屋宗達『月に秋草図屏風』。豪華です。ちょうど明日18日は中秋の名月。この絵は半月ですが、秋といえば月ですね。夏の夜とはまた、違った味わいがあります。9月も半ばとなり、涼しくなってきました。出光美術館は金曜日は7時まで開館しています。6時半までに入館すると、星や月は無理でしょうが、都会の夜景を眺めることができます。

気になったのは、尾形光琳『蹴鞠布袋図』。松花堂風の筆致で、でも一生懸命に鞠を見あげている布袋さん。松花堂昭乗の『布袋百図』」(だったかな?大倉集古館蔵品)とくらべるとその表情がやはり違うように思われます(絵師が違うのですから違って当然ですが)。今回出ていた光琳の人物画はどれも〈今、研究中!〉というように見えました(あくまで印象ですが)。努力する天才といった姿でしょうか。
いろいろな人が布袋さんを描いていますが、見比べると違いが際立っておもしろいものですね。

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2005/09/16

絵巻「山中常盤」と歌舞伎

5月に岩波ホールで『山中常盤』を見ました。
絵巻を映画で見る、おもしろい映画でした。

ひさしぶりに、『絵巻「山中常盤」を映画でみませんか』をのぞいてみると、今、東中野で上映中とのことではありませんか!

それも13代目片岡仁左衛門(1994年没)の記録映画『歌舞伎役者 片岡仁左衛門』など、歌舞伎関連の映画も上映とのこと。9月10日~10月14日までポレポレ東中野にて。

9月24日~9月30日は特別プログラムも上映。

今度は、歌舞伎。これは、一日行っただけじゃ見きれないでしょうね。

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2005/09/13

南蛮美術・堺市博物館

堺市博物館では企画展『南蛮美術』が行われています。
2005年9月2日(金)~10月2日(日)まで。

堺は日本史の上でも特に中世から近世にかけて商人・職人の町として有名です。
この博物館は仁徳天皇陵のすぐそばにあります。sakaisi
最初、顔を見て少年かな?と思ってしまいました。『洋風女性図』。図録ではあまりよくわかりませんが、実物を見るとものすごい上目遣い!そういえば、中世ヨーロッパの宗教画にはけっこう上目遣いの人々が出てきます。天を見上げたり、神を見あげたり……その影響でしょうか?

図録は平成15年のものが販売されています。

スポット展示『半井氏と幻の寺大通庵』 2005年8月2日(火)~10月2日(日)
図録はありませんでしたが、解説と翻字のリーフレットがありました。

堺出身の方に、「暑かったですよ~」と言いますと、「あのあたり(百舌鳥)で日焼けすることを〈もず焼け〉って言うんですよ」とのこと。なんだかきれいな響きですが、実質はじりじりと焼けつくような暑さです。昔はもっと涼しくて気温が30度になることなどそれほど多くはなかったそうです。やっぱり地球温暖化でしょうか。子どもの頃、地理の時間に、「本州は温帯」と学んだように思いますが、現在では亜熱帯といえそうです。私は亜寒帯仕様なのでつらいです。

堺市立博物館へはJR阪和線・関西空港線「百舌鳥(もず)」駅から歩いて6分ほど。
堺観光コンベンション協会のHPを見ると、いろいろと歩くのもよさそうです。が、おすすめはもっと涼しい季節でしょうか。

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2005/09/12

9,10月の展覧会

ドレスデン国立美術館展―世界の鏡 2005年6月28日~9月19日 国立西洋美術館 東京/上野
 
館蔵「鍋島焼名品展」 2005年7月2日~9月25日 戸栗美術館 東京/渋谷 

ルーブル美術館所蔵 古代エジプト展 2005年8月2日~10月2日 東京都美術館 東京/上野 

墨蹟と中世漢画 2005年8月20日~10月2日 根津美術館 東京/表参道 

江戸・明治の書画―不折コレクションのなかから 2005年8月2日~10月10日 書道博物館 東京/鶯谷 

絵地図いろいろ 2005年8月11日~10月10日 神奈川県立金沢文庫 神奈川/金沢文庫
 
ルーブル美術館展―20世紀フランス絵画 新古典主義からロマン主義へ 2005年7月30日~10月16日 京都市美術館 京都 

伊丹市制65周年 柿衞翁のモダニズム 2005年9月3日~10月16日 柿衞文庫 伊丹
 
特別展 ミラノ展 2005年9月6日~10月16日 大阪市立美術館 大阪 

日本三景展―松島・天橋立・厳島 2005年9月13日~10月16日 京都文化博物館 京都 

興福寺創建1300年記念 特別公開「国宝 仏頭」 2005年9月21日~10月16日 東京国立博物館本館 東京/上野
 
櫛まつり 2005年10月14日~10月16日 櫛かんざし美術館 東京/沢井 

プラート美術の至宝展―フィレンツェに挑戦した都市の物語 2005年9月10日~10月23日 損保ジャパン東郷青児美術館 東京/新宿
 
ギュスターヴ・モロー展 2005年8月9日~10月23日 BUNKAMURAザ・ミュージアム 東京/渋谷 

山辺知之先生追悼特別展Ⅰ インドへの思い 2005年9月1日~10月23日 遠山記念館 埼玉/桶川・川越 

住友コレクション 大判・小判と世界のコイン 2005年9月1日~10月23日 泉屋博古館 京都
 
アルタイの至宝展 2005年8月24日~10月24日 静岡県立美術館 静岡 

京の雅び・都のひとびと―琳派と京焼 2005年9月3日~10月30日 出光美術館 東京/有楽町
 
文人の夢・田能村竹田の世界 2005年9月30日~11月6日 静岡県立美術館 静岡
 
特別展 燕子花図―光琳 草花の意匠 2005年10月8日~11月6日 根津美術館 東京/表参道 

秋季特別展 柳沢吉保と荻生徂徠 2005年9月10日~11月13日 柳沢文庫
  
レオナルド・ダ・ヴィンチ展―直筆ノート『レスター手稿』日本初公開 2005年9月15日~11月13日 森アーツセンターギャラリー 東京/六本木 

うたのちから―古今集・新古今集の世界 2005年10月28日~11月18日 国文学研究資料館 東京/戸越 

最澄と天台の国宝 2005年10月8日~11月20日 京都国立博物館 京都
 
特別展 エミール・ガレ没後100年展(仮称) 2005年9月16日~11月23日 MOA美術館 静岡/熱海 

国立歴史民俗博物館「うたのちから―和歌の時代史」展 2005年10月18日~11月27日 国立歴史民俗博物館 千葉/佐倉
 
開館10周年記念特別展「横浜うらしま草子」(仮題) 2005年10月22日~11月27日 横浜市歴史博物館 神奈川/センター下 

日本三景展―松島・天橋立・厳島 2005年10月25日~11月27日 東北歴史博物館 宮城/多賀城 

やまとうた一千年 2005年10月29日~11月27日 五島美術館 東京/上野毛
 
やまとうた、美のこころ展(仮題) 2005年10月1日~12月1日 三の丸尚蔵館
 
雅美と超俗―琳派と文人画派 2005年9月17日~12月4日 逸翁美術館 大阪/池田
 
特別展「華麗なる伊万里・雅の京焼」 2005年10月4日~12月4日 東京国立博物館表慶館 東京/上野
 
秋季特別展 宗因生誕400年 宗因から芭蕉へ 2005年10月22日~12月4日 柿衞文庫 伊丹
 
特別展 ミラノ展 2005年10月25日~12月4日 千葉市美術館 千葉/千葉市
 
特別展「北斎展」 2005年10月25日~12月4日 東京国立博物館平成館 東京/上野
 
茶の湯の裂地 2005年9月10日~12月11日 野村美術館 京都
 
鈍翁と耳庵の風流 2005年9月16日~12月11日 湯木美術館 大阪 

ニューヨーク・バーク・コレクション展 2005年10月4日~12月11日 広島県立美術館 広島 

キアロスクーロ―ルネサンスとバロックの多色木版画 2005年10月8日~12月11日 国立西洋美術館 東京/上野
 
特別展 高取焼―遠州高取と古高取 2005年11月12日~12月11日 根津美術館 東京/表参道
 
釜の歴史 室町から現代まで 弐 2005年9月6日~12月18日 大西清右衛門美術館 京都
 
秋季特別展 琳派展Ⅷ「俵屋宗達ー琳派誕生」 2005年9月16日~12月18日 細見美術館 京都 

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2005/09/11

住吉大社

調査のついでに住吉大社へ行ってまいりました。05-09-10_12-12
天王寺駅前から路面電車に乗りました。住吉駅で下りるとそこはもう住吉大社前です。
DSCF0148住吉大社の目印とでもいうべき太鼓橋。近づいてみるとその急な階段にびっくり。05-09-10_12-38下りるときには気をつけなければなりません。
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05-09-10_12-391ここのおみくじはさすが、どれも住吉にちなんだ歌であらわされてるようです。普通のおみくじと恋みくじがありました。普通のおみくじをひくと、「吉凶なし」え?吉凶なしっていいの?悪いの?「こゝろなきこゝろもなほぞつきはつる 月さへ澄める住吉の浜」(藤原俊成)まあ、謙虚になれということでしょうか。ネパールの「手漉きみつまた」で作っているということで、紙も独特です。
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たまたま結婚式の行列を見かけました。暑い中たいへんそうです。

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2005/09/10

遣唐使と唐の美術

『遣唐使と唐の美術』展

2005年9月11日まで。東京国立博物館にて開催中です。
中国で発見された井真成(せいしんせい)の墓誌をきっかけとして遣唐使の研究が進展したということですが、前もって『遣唐使の見た中国と日本』(朝日選書)を読んでおいた方がよさそう。
模本の『吉備大臣入唐絵巻』が出ていました。
今回の展示では中国の文物、発掘品などが中心となっていましたが、阿倍仲麻呂とか(行かなかった)小野篁とか菅原道真を思うと、いっそうその興味が深まります。

もう一つの展示『模写・模造と日本美術―うつす・まなぶ・つたえる』は常設展の料金で楽しめます。こちらも図録があります。

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