サントリー美術館「酒呑童子ビギンズ」拝見
2025年4月29日(火・祝)~6月15日(日)


旧年中はお世話になりました。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
年が明けると次は初夢。
「たつ春の朝よみける
年くれぬ春来べしとは思ひ寝にまさしく見えてかなふ初夢」
(西行『山家集』)
この歌では節分の夜から立春の明け方に見る夢ですが、江戸時代には正月となったようです。
こう、初夢はいつの夢かという点には諸説ありますが、ともあれ今夜は宝船の絵を枕の下に敷いて吉夢を願ってみましょう。
あけましておめでとうございます。
『五味禪』(国立国会図書館蔵)より「騎牛帰家」図です。
「十牛図」の段階の六番目が「騎牛帰家」。「十牛図」は禅宗で修行生活のはじめから悟道に至るまでの過程を牧童が牛を尋ねるところから家に連れかえるまでの十項目に喩えたものです。
求めた牛を見つけ、わざわざ牽くこともなく、笛を吹きながら家に向かう。
平穏な一年になりますように。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
暑い暑いと思う内に九月となりました。
昨夜の雨のおかげで、今頃ですが朝顔が次々と咲きます。
このままですと「朝顔に釣瓶とられてもらい水(千代女)」ならぬ物干し竿をとられてしまいそうです。
江戸時代後期には朝顔の栽培が流行しました。
蔵書家で知られる高田(小山田)与清の随筆『擁書漫筆』四 文化14年(1817)には、次のように記されています。(日本随筆大成第1期12)
「このひととせふたとせがほどは牽牛花合(アサガホアハセ)といふことのおこなはれて、京江戸大坂のすき人たち、きほひて奇品をあなぐりもとむることおほかたならず」
この一、二年ほどは「牽牛花合」(朝顔合)ということが行われて、
京都、江戸、大坂の数寄人(趣味人)たちが、競って奇品(変化朝顔)を探し求めることは並大抵のことではない。
(国立国会図書館蔵 立祥(2代広重) 「三十六花撰 東都入谷朝顔」)
平成25年(2013)には江戸東京博物館で「花開く 江戸の園芸」という展覧会がありました。
2020年9月1日ですが、旧暦では7月14日。時節的には初秋です。
昨日、8月24日(月)北海道では「日暈」が見られたようです。
北海道(帯広)より届いた写真がこれです。
くっきりと丸く現れています。
日暈(にちうん・ひがさ)
太陽を光源としてその周囲に生じる光の輪。【大辞泉】
巻層雲が太陽をおおったとき、光がその氷片によって屈折されるために起こる。【日本国語大辞典】
*晉書‐天文志・中「升平六年三月辛未、白虹貫日、日暈五重」
古代中国より記録がある現象ですが、江戸時代の錦絵では月暈が描かれています。
一勇斎国芳の「東都名所 新吉原」
こちらも国芳。「百人一首之内 大江千里」
そろそろ秋の気配が感じられるようになりました。
明日は七夕。星が見られるといいですね。
3回目の正直。
過日、撤去していただいたアシナガバチ、女王蜂が逃亡していたらしく、三度目の巣作りとなってしまいました。
第2回は、エアコンのチューブに入り込まれてはたいへんなので、あわてて撤去していただきましたが、今度はガス湯沸かし器の下(室外)。
よくもまあこんな所に作るものです。
1度目は管理会社さん。(仕事があったため立ち会いできず)
2度目は管理会社さんから連絡を受けた大家さん。(市販の殺虫剤で処理)
これはもう、自力でなんとかするしかないかと、100円ショップで道具を用意しました(ホームセンターまで行かずとも、あるものです)。
①帽子 ②虫除けネット ③虫取り網(は、大きすぎたので魚すくい用網) ④手袋 ⑤雨合羽
そして、ハチ用スプレー式殺虫剤(ドラッグストアにて入手)
アシナガバチの活動時間は日中ということで、日の出前もしくは、日没後に決戦です。
いや、まあ、刺されないなら益虫でもあるので、見守ろうかとも迷ったのですが、ご近所に迷惑をかけてもいけません。
今ならまだ巣のサイズは3~4㎝ほど。暑さで動きが鈍ってくれることを祈るばかりです。
秋立つ日よめる 藤原敏行朝臣
秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる
『古今和歌集』巻第4 秋歌上
さあ、今日から「秋」です。
といいつつも、先ほど今期の授業、全部終了。さて、採点採点。
さすがにちょっと疲れてしまいましたので、本日は早寝をしたいと思います。
国立国会図書館蔵『春日権現霊験記絵』(天明4年(1784)模写)より
*原本は 鎌倉時代、延慶2年(1309)頃 高階隆兼画(三の丸尚蔵館蔵)
2018年に「春日権現験記絵-甦った鎌倉絵巻の名品-」(修理完成記念)がありました。
板床に畳を敷き、尼様は蚊帳のうちで眠れますが、そばの女房は蚊帳の外で扇であおぎつつ眠ります。
まだまだ、暑い日が続きます。みなさまも熱中症などにお気を付けくださいますよう。
『古今集』巻第3 夏歌(168)
みな月のつごもりの日(ひ)よめる
夏と秋と行かふそらのかよひぢはかたへすずしき風やふくらん
東京国立博物館蔵 『古今和歌集』(附 永正十六年牡丹花肖柏筆伝授1通/文亀三年牡丹花肖柏筆覚書1通/寛文四年烏丸資慶筆上包紙1枚)
室町時代、永正16年(1519)の伝授書などとともに伝わる『古今和歌集』から夏の部の終わりです。
先日の166「夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを雲のいづこに月やどるらん」
そして、167「塵をだにすゑじとぞ思ふ咲きしより妹とわが寝るとこ夏の花」
に続く部分です。
翻字(濁点を加えました)は
「 月のおもしろかりける夜あか月がたによめる ふかやぶ
夏の夜はまだよゐながらあけぬるを雲のいづこに月やどるらん
となりよりとこなつの花をこひにをこせたりけれ
ばおしみてこのうたをよみてつかはしける みつね
ちりをだにすへじとぞ思さきしよりいもとわがぬるとこ夏の花
みな月のつごもりの日よめる
夏と秋と行かふそらのかよひぢはかたへすずしき風やふくらん」
明日は立秋です。
まだこんなに暑いのに?というところですが、太陽黄経が135度の日です。
ややこしいことに、新暦8月7日は、太陰暦(旧暦:月の運行による暦)では、6月18日。
まだ水無月の半ばだったりします。
令和2年の水無月(みなづき)晦日(つごもり)、6月29日は新暦8月18日(火)。
ああややこしや、ややこしや。
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